2015年1月30日金曜日

革漉き道具 ベベラと替刃について

ベベラでうまく漉けないという声が聞こえましたので
私が使用している道具の使用方法を紹介します。
正式な使用方法と違っているかもしれません。

 漉きたい幅のガイドを書いた部分に刃をあてて手前に引きます。ヘリに対して直角でもいいのですが、切れ味が落ちた時に垂直に引くと革が伸びてしまいます。ですので斜めに引きます。刃を最初から斜めにしてヘリに対して垂直に引くのもOKです。場所によって刃の角度を変えています。

一回で希望の薄さにまで漉くのは難しいので何回かに分けて漉きます。
 刃の交換はラジオペンチで行います。端から刃を出し入れします。裏返しても切れ味は復活しません。
 ネットで気になっていた内容を検証します。

ベベラ専用の替刃より髭剃り用の替刃の方が切れるし長持ちするという話です。近所のホームセンターで髭剃り用の替刃を購入してきました。
 左が髭剃り専用(以下Schick)です。パッと見は色以外に違いはありません。

タンニン鞣しとクロム鞣しの革で漉きの検証実験です。

~結果~
Schickの方が最初の切れ味が鋭いかなぁという感じですが、切れ味の鈍り具合はどちらも一緒でした。ベベラ専用が800円で10枚、Schickが1,000円で10枚なので無理にSchickを使わなくてもいいかと思います。

薄く漉けるかは腕ですね。
もう一つの漉き道具はペディーです。あくまでも個人的感想ですがこちらはオススメできません。すぐ刃がダメになるので力を入れがちになりますが、そうすると持ち手(プラスチック製)がポキッと折れます。柔らかい革を思い通りに漉けたことがありません。

箱にはCorn Cutterと記載されているので実際の使用目的はカカトのタコや魚の目、角質を削るもの。それでは漉けませんね。


替刃による漉きは長期的に見るとランニングコストがかかりすぎてしまうので、革包丁による漉きを練習です。


ハンドバッグのハンドル本体部分の再設計、裁断、漉きなど進んでいます。

2015年1月29日木曜日

ハンドバッグ ハンドル作製3 タッセル作製  バイクでベリーショートツーリング to 牛島6

ハンドル本体に芯を挟み縫います。

 タルカンに通して折り畳み、一部縫った後にカシメで留めます。ですが何となく気に入りません。
 原因は裏側でした。折り返した部分全てを縫い合わせればよかったのですがカシメと一部縫いで済ませてしまったため、いびつな形になってしまいました。タルカン部分で折れるはずがカシメ部分から折れてしまいます。使う分には問題無いのですがお客様にお渡しできるレベルではありませんので作り直し決定です。薄く柔らかい革にこの方法は使えません。
 気分直しにタッセル作製に取り掛かります。3mm幅のレースを作るよう裁断します。暖簾のような形ですね。革の厚みと巻く長さを計算すれば裁断する長さが最初からわかりますが数学となると頭の中は『?』の連続になってしまうので勘で裁断します。巻いてみて入らなければ本数を減らしていくという感じです。

 長さが決まったらネジ用の穴を開けてタッセル本体を被せてネジで留めて完成です。タッセルの内側とネジには接着剤が塗ってあります。
 お昼は牛島へツーリングです。美味さ全開です!街並みがミニチュアみたいに写るモードで写してみましたがあまり変化はありませんね。

毎回ですが行くたびに「よしっ!」と作製意欲が再沸騰してきます。
カウンターのカーテンを開けると秘密の棚が!仲間で作成したそうです。すごいですねぇ。ガンダムだけでなくボトムズやバイク、車など多種多様で見てるだけでワクワクします。

一年戦争メインなのは年齢層が、た・か・め?

私が作るとしたらサザビー、ジェガン、F91、デナンシリーズと言っても『逆襲のシャア』は1988年、『F91』は1991年なので24~27年前・・・。

「ああ・・・アムロ、刻が見える」

2015年1月28日水曜日

ハンドバッグ ハンドル作製2  Dカン取り付け部分作製

ハンドル本体の作製に取り掛かります。

ヘリにゴムノリを塗って乾かしている間に
細かい部分を作ります。

 折り畳み部分も含めて裁断、ヘリを折り返します。中心部に伸び防止で芯を貼ります。糊付ワッペンは接着力が強いので取扱い要注意です。
 Dカンを挟み折り畳んで接着剤で圧着します。これは2WAYバッグのショルダー使用時にベルトと接続する部分です。
 ヘリ返ししたハンドル本体です。ゴムノリを軽く塗りヘリを合わせて菱目打ち(3mm)で穴を開けます。この時に芯はまだ挟んでいません。
穴を開けたら一度開き、芯を挟みます。端はパーツを被せて接着します。



2015年1月27日火曜日

ハンドバッグ ハンドル作製

ハンドル部分を作成します。

裁断してある4つ×2(表裏)のパーツを使用します。

 漉いたヘリにゴムノリを塗り、5mm折り返し圧着します。タルカンを使用するので力が掛かる裏側の革の中心部に伸び防止で芯を貼りました。

表側の革にもヘリ処理を行い、裏革と合わせて接着します。
 表と裏で長さが違いますが、折り畳むと合うように設計しています。タルカンを挟み込み折り畳んで接着剤で仮止めします。
先に縫い穴の位置を決めておくため、菱目打ちで穴を開けておきます。


先週、馴染みの床屋に行ったところおばちゃんから眼鏡入れの注文を頂きました。ありがとうございます。色の指定と固めの革でという以外はお任せだったので腕が鳴ります。


2015年1月26日月曜日

ハンドバッグ 材料揃い  FIAT500

追加発注分の革の裁断も完了し
Dカンなどの金具も揃いました。

漉きも順調に進みました。
親指が痛いですが・・・。

 革を使用する部位です。全部で29パーツあります。※ファスナー(長)は先に上下で挟み込んでいるので2パーツです。
革材料買い出しの途中、ミニカー売り場で見つけて衝動買いしてしまいました。カリオストロの城でルパンが乗っていたFIAT500です。チャージャー(ターボ?)も再現されています。

ルパン、次元は付いていないので、同スケール(1/60前後)で作ってジオラマにしてみようかと。公式サイトによるとルパンが179cm、次元が178cmなので3cmで作ればOKですね。


2015年1月23日金曜日

ハンドバッグ 内生地ファスナー部作製

基本、今回のバッグの内生地に革は使いませんが
ファスナーなど力が掛かる箇所には革を使用します。

 内生地は赤なので赤い革を使用します。ストックに赤く薄い革が無かったので『染めQ』で染めます。色を染める地の革は近い色を選んだ方が良いのでオレンジ色の革にスプレーしました。

白い革だと発色が良すぎたり、黒い革では色がうまく載らない可能性があるので要注意です。ガンプラ塗装でも近いことが言えますが、ワザと黒立ち上げを行なって重厚感を出すこともあります。
 うまく染まったらファスナーに合わせて裁断します。円形部分はポンチを使うと楽に開けられます。コバはオレンジ色なのでコバスーパーで色を載せます。
ゴムノリでファスナーを仮止め、菱目打ち(3mm)で縫い穴を開けます。通常なら革を貼り合わせてから縫い穴を開けますが、生地に貼ってから菱目打ちを使うと生地の繊維を切断してしまう可能性があります。ですので先に穴を開けてから生地に貼り糸を通していきます。

2015年1月22日木曜日

ハンドバッグ ヘリ漉き2 芯について

漉きの続きです。

 マチ、本体のヘリを漉きました。追加発注の革が届いたのでこれから裁断と漉きをします。まだまだ漉きは終わりません。
 マチの外と内を合わせた状態です。内生地を挟み込んで縫います。
 バッグ作りで悩むのが芯ですね。もちろん芯を必要としない革もありますが、今回選んだのは柔らかい革なので芯を使用します。

左がワッペン糊付(0.5mm)、右がボンテックス(0.8mm)です。
芯の裏に革(0.8mm)を貼りました。ワッペン(左)は保持能力は低いですがコシが出ます。曲げても跡が残りにくいです。

ボンテックス(右)は保持能力が高いですが、今回作成するバッグのマチのように変化する部位には向いていません。曲げた箇所が分かってしまいます。ブリーフケースなどのように全体がキッカリしたバッグには向いていると思います。

ただ、両方とも厚みによって使用感が違ってきますので色々と試してみます。

2015年1月21日水曜日

ハンドバッグ ヘリ漉き

ひたすらヘリ漉きです。

 ガイドをペンで書いてヘリ漉きします。切れない刃を使うと引っ掛かって革が伸びてしまうため漉き具合を確認しつつ行います。
マチ内側部のヘリ漉き完了です。あと本体とポケット部とマチと・・・。ヘリ漉きを行いすぎるとハイな気分になり、何かの向こう側が見えてくる気がします。

少なからず革が伸びてしまうので測り直して伸びてしまった箇所を裁断します。


今日は雪になってしまったのでバイクで走り出すことができません。何年か前、バイク走行中に雪で転んだことがあるのでトラウマです。起こそうとしたら路面が氷になっていてカウルがガリガリと・・・。



2015年1月20日火曜日

ハンドバッグ ファスナー部作製2  カード入れコバ処理  ビーズ紹介

ファスナー部の縫いと同時に定期入れと
社員証入れのコバを仕上げます。
※ピントが合わなかったので画像はありません。

スーパーコバを塗りましたが、下地が柔らかく
ザラザラだったので縫った表面もザラザラになりました。
ヤスリで削って平らにします。
電熱ペンの先端を平らなものに変更、
コバ表面を熱して固く締めます。

再びコバにコバスーパーを塗ります。


 手縫いなので糸にロウ引きします。ロウを塗りすぎたのか縫い穴に針を通して糸を引っ張るときに糸同士が絡み合い何度もほどき作業をしました。「キ~~ッ!!」ってなりますね。2回に分けて縫って正解でした。


 ミラージュビーズと呼ばれるもので温度や気温によって変化します。何度で何色に変化するなどは把握していませんが、手に持っただけで変化するので見てて面白いです。
装着例です。ライダースの胸ポケットファスナー引き手に付けました。ネックレスやブレスレット、ハワイアンリボンの先端に付けたりウォレットロープに付けたりと色々と遊べます。

2015年1月19日月曜日

ハンドバッグ ファスナー部作製

型紙作製が終わったので革の裁断に取り掛かります。

 パーツが足りない気がするって?はい、そのとおりでございます・・・。今回は半裁ではなく断ち革を使用しているのですが、注文内容を間違えていました。すみません・・・。

というわけで取れるだけの内容で裁断し作業を進めます。単純ミスが続きすぎて嫌になります。
 お客様の希望でエクセラ ゴールド・シルバーのマルチカラーを使用します。スライダーを追加して両開きにしました。

引き手も変更予定です。
 くいきりとニッパーで務歯を外して長さを調整、下止めを噛ませます。
ファスナーの周囲上下に革を貼り、縫い穴を開けていきます。長さが50cmあるので糸は単純に4m。2回に分けて縫いますか。





2015年1月16日金曜日

ハンドバッグ 型紙作製  国立科学博物館

デザインが決まってので型紙を作製します。
ここでも円周率が大活躍です。

菊寄せなども取り入れるので頭の中がフル回転です。

 これにファスナーとハンドルの型紙を追加して裁断に取り掛かります。
 何日か前に上野へ行きました。国立科学博物館で開催していたヒカリ展が気になっていたので。4~5分の動画が所々にあり、人だまりができていて正直動きにくかったです。展示物は宇宙から始まり、衛星や鉱物、光る着物などがあって面白かったですね。

日本館の方で『ヨシモトコレクションの世界』という企画も開催されていたので寄りました。
 様々な形の角です。ライオンやサイ、ハイエナ、ヒヒなどが多種多様な剥製が展示されていました。

剥製を見ていて革を扱う者として色々と考えさせられました。
バッファローの毛皮を使ってジャケットを作ってみたいと思ってしまったことは内緒です。
こんな白クマが目の前にいたら動けないですね。Wikiによると熊の中で最も肉食性が強いらしいです。北極圏に近寄れません。

個人的にはヒカリ展よりヨシモトコレクションの世界の方が面白かったです。人がいなかったというのも。

2015年1月15日木曜日

社員証入れ&定期入れ 刻印打刻

木を彫って作った刻印を試します。
これがうまくいけばバッグも同じ手法で行けます。

 社員証入れと同じ革を使って実験です。下からゴム板、革、木、革(刻印保護用)となっており万力で締め上げます。ヌメ革などに打刻する場合は水などで濡らしますが、水をはじく革のため濡らしていません。
 2時間放置でこのようになりました。実験成功です。若干太い箇所や角ばっている箇所を修正して本番に挑みます。


1時間半、万力で締めて完成です。厚い革だともっとはっきりしますが、薄いので難しいですね。

2015年1月14日水曜日

ハンドバッグ デザイン決定  ○○の月食べ比べ(萩の月 みかもの月)

ヘリの処理をどうするかで悩んでいましたが
混合で進めます。

 ファスナーの取り付けや閉じたときの幅など詳細は決まっていませんが、作りながら決定していきます。
たまに発生する食べ物記事です。

『○○の月』のお菓子です。各地にあるこの月シリーズですが月協会などあるのでしょうか。類似商品がいっぱいです。

で、ちょうど『萩の月』と『みかもの月』の2種類が手に入ったので食べ比べてみました。比べると萩の月の方が白いのがわかります。気になる味ですが、萩の月はカスタードのような食感と甘さで洋菓子に近く、みかもの月は黄身餡のような食感と甘さで和菓子に近いです。生地は似たような感じです。箱に入っている分、萩の月の方が少し高級感が出ているような。

結果:どっちも好き

そのままでも美味しいですが、冷やして食べるとさらに。
お茶も合いますがホットミルクでも合いますね。
さて、次はどこの月を狙いましょう!

2015年1月13日火曜日

革 菊寄せ

バッグのデザイン、型紙を進めるにあたり
ヘリ(コバ)をどうするかが重要です。

革の種類によっては磨いて処理することもできますが
今回使用している革は薄く柔らかいので難しいです。

スーパーコバという革専用塗料で塗れば
切断面を処理することができます。
カーブ、直線関係なく使用できるので作業が
楽に進められます。

また、塗料を塗らなくても内側に折り込めば
綺麗に処理できますがカーブが問題です。
そこで菊寄せという手法があります。

というわけで初菊寄せです。
革と芯を用意、ヘリを薄く漉きます。
 芯を革に接着、革を折る位置までゴムノリを塗ります。後ほど縫い合わせる予定なので接着力は弱くても大丈夫です。
 両側の直線部分から折り曲げていき、山が出来たら中心を潰し2つの山を作ります。その工程を繰り返します。革をもっと薄く漉けば山と谷がもっと細かくできます。
 表側です。綺麗にカーブが整えられています。
もう一つ作り縫い合わせます。意外にうまくいってびっくりです。レベルアップした気分です。

この方法でバッグを作るのも面白いですね。ただ、コバを塗るよりも工程は確実に増えてしまうのが難点です。