2015年6月26日金曜日

財布 リペア 内側貼り替え

某ブランドの財布のリペア依頼です。

 パッと見た感じは綺麗ですが細部をよく見ると使い込んでるのがわかります。
・コバの塗料割れ
・糸のほつれ
・表面のヒビ
・裏面のヒビ・擦れ
・札入れ部分内側の擦れ

今回は『糸のほつれ』と『札入れ部分内側の擦れ』の修理ということで貼り替えを行います。2つ折りなので折れ曲がって札に常に触れる箇所が多く擦れています。
 糸をほどき、本体と札入れ部分に分けます。小銭入れはいじらないので糸はほどきません。
 札入れ部分の上部の糸をほどき、さらに分解します。接着剤で貼られているので無理に力を入れないよう慎重に行います。
0.5mmに漉いてあるヤギ革を裏貼りに使用します。合皮でもいいのですが、擦れなどが再度発生することを考えると本革にした方がいいと思い変更しました。柔らかく伸びがいいので裏貼りなどにピッタリです。上部を#8ビニモで縫い合わせたら本体と合わせて、ビニモ5番で本体周囲を縫います。

ミシンは上糸と下糸に分かれているので上下で色を分けられますが、手縫いは1本の糸で縫うため糸の色は1色です。本体外側の色が目立つため、本体側の糸の色は茶色で統一しました。あとはコバなどをコバスーパーなどで処理して完了です。

バッグや財布に合皮が使われていることが多いのですが、使用している方がそれを知らないことが多いように見受けられます。「○○(某ブランド)だから革でしょ」という方もいらっしゃいます。特に財布のホックが付いているベロ部分などのように頻繁に曲げ伸ばしする部分はよくヒビ割れます。裏面などは貼り替えれば済みますが、表のヒビ割れなどは対応できませんのでご了承願います。合皮は作る側にとって仕入れなどが安く済んだり作業しやすいという利点がありますが、一つの財布やバッグを長年使う方にとっては向かないかもしれませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿